ボクもミッションについては摩擦さんと同じことを考えていましたが、
シンクロ機構はテーパーなので圧入に近いはめ合いになってくると思うんですね。
私は、ミッションOHでギヤあるいはリングの交換を行う時には双方のパーツを組み合わせて摺り合わせを行うのですが、このような時にシンクロナイザーリングをギヤのコーンに押しつけすぎるとリングがピッタリくっついて外すのにマイナスドライバーがいる位です(やや誇張ありですがね)。
例えば、シャフトにベアリングを組み込む時にオイルを塗ったりしますが、一旦はめ合わされるとオイルがあったからといって外れることはないですね。シンクロナイザーリングは、用のない時はギヤ部のコーンから離脱している必要があるので、テーパーになってますが、シフト時に真鍮のリングがギヤのコーンに押されることで、リングがコーン部に被さって強固に締め込んで行きます。これによって、ブレーキ作用が強力に生まれていると思います。
それに、シンクロナイザーリングの内面には溝が付けてあるので、油膜を排除してしまいます。よって、摩擦係数はシンクロの作用にあまり関係がないのではないかと思います。自動車メーカーでも昔(今もあるかも)工作精度の悪い時代にモリブデンを塗ってミッションを組んだりしていましたが、シンクロの機能には影響はなかったそうです。
昔はMTのオイルがエンジンオイルというクルマもありましたし、今でもアフターのオイルでエンジン/ミッション兼用というのもあります(バイクじゃなくても)。かといって、ゲトラグのようにATFを指定する特殊なMT以外でATFを入れるととたんにギヤ鳴りを起こしたり、不適合な添加剤を入れるとギヤ鳴りすることもありますから、それなりのオイルを選んだ方がベターなのは言うまでもありません。
特にモータースポーツユースではシンクロの摩擦がバカにならないので、耐熱性が低いオイルはスラッジ化してシンクロが固着することもありますし、シンクロナイザーリングがすり減って油切り溝がなくなることもあるようです。そのためホンダのタイプRなどスポーツ車では、摩擦部にカーボンを使ったシンクロナイザーリングも実用化されています。
なお、ATほどシビアにないにせよ、MTオイルにもシンクロの摩擦特性と潤滑性能を両立することが求められています。ですので、オイル業界では現在のGL-○などのギヤオイル規格から、マニュアルミッションオイル専用の規格を策定しようという動きもあるようですが、AT全盛時代のためかまだ実現されていないようです。
それより、シフトフィーリングで影響が大きいのはシフト操作部のロッドの動きがスムーズになるからでは?と思います。
ミッションを分解すると、鉄製のシフトロッドに線キズが入っているのを発見することが多いんです。アルミのケースに入っている鉄製ロッドが痛んでいるんですから、結構なストレスかと思います。
例えばバイクで熱ダレするとシフトが渋くなるというケースでは、ロッドが入っているケース(エンジンのクランクケース)の変形が増して、数個のロッドを通す穴のセンターがずれたりしてくることが影響しています(と聞いたことがあります)。
ロッドとケースの摩擦が大きく引っかかりがあると、操作力がそこでロスするので、シフト性が悪くなってしまいますし、摩耗が進行するとガタが出るのでロッドが傾いてしまいます。
そこで私はシフトロッドにモリブデンコートを行ったことがありますが、やはりスムーズなシフトフィールになりました。またフィーリングにこだわるスポーツカー用ミッションでは、ロッドの支持をスライド用ボールベアリングで行ってフリクション低減を行ったものもあります。
ということで、個人的にはzoilのように評価の高い添加剤の使用によって、操作系(シフトレバーからシフトロッド、チェックボール等々)の動きをスムーズにしてくれる方が体感しやすいのだと思います。摩擦と潤滑の両立というのは興味深いテーマなので、何か実験で検証できると良いのですがね。
大変長文で失礼しました。
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